治療の方針を決定する「医師」
総合病院における医師は、高度医療の担い手として極めて重要な役割を果たしています。地域のクリニックが日常的な疾患の管理を行うのに対し、総合病院の医師は精密な検査や手術、あるいは入院治療が必要となる重症度の高い患者さんを主に担当します。また、チーム医療の要としても医師の役割は大きいです。総合医療の医師の役割について詳しく見ていきましょう。
主な仕事内容
総合病院に勤務する医師の仕事内容は、大きく分けると外来診療、病棟管理、および救急医療への対応の3つに分かれます。
外来診療では、地域のクリニックなどから紹介状をもらって来院された患者さんの診察を行います。高度な医療機器を用いた精密検査を行い、病気の原因を特定して、具体的な治療の道筋を立てていくケースがほとんどです。
病棟管理では、入院している患者さんの主治医となり、経過を観察する回診を行います。容態変化に応じて薬の処方を見直したり点滴の指示を出したりするほか、外科系の医師であれば手術の執刀も行います。
救急医療対応は、総合病院で活躍する医師ならではの業務といえるでしょう。総合病院では、地域の救急医療体制を維持するために、夜間の当直勤務や休日における急患の受け入れ対応が日常的に行われています。
チーム医療の柱
総合病院の医療は、医師一人の力だけでは完結できません。患者さんの命を救い、健康な状態へと回復させるためには他職種との密な連携、すなわちチーム医療が重要になってきます。
医師が治療の方針を決定すると、その指示をもとに看護師が点滴や処置、入院生活のケアにあたります。近くで患者さんを見守っている看護師と情報共有しあうことで、医師はその後の治療方針をより正確に決定していくことができるのです。また、薬物治療を行う際には薬剤師の存在が欠かせません。医師は、処方する薬の組み合わせや副作用について薬剤師と綿密に相談し、最適な処方設計を組み立てていきます。さらに、患者さんが病院を訪れて最初に接する医療事務の存在も重要です。医療事務が窓口で患者さんの症状を正確に聞き取り、適切な診療科へスムーズに振り分けてくれるからこそ、医師は遅滞なく正確な初期診療に入ることができます。医師はそれぞれの専門家がもたらす意見や検査データを総合的に判断し、チーム一丸となって最善の医療を提供できるよう支え合いながら、日々の治療を進めます。
総合病院で働く医師の「やりがい」と「大変なところ」
総合病院という最前線の現場で働く医師には、特有の大きなやりがいがある一方で、それに比例するような大変な側面も存在します。
まず、やりがいとして挙げられるのは、最新の医療設備や先進的な医療に常に携われる点です。一人では解決が難しい難病に対しても、ほかの医師や多職種と協力し合いながら、チーム一丸となって立ち向かうことができます。手術や治療を経て、重症だった患者さんが笑顔を取り戻し、元気に退院していくプロセスを間近で見られることは、医師にとってこれ以上ない大きな喜びであり、最大のやりがいとなります。
一方で、大変なところとしては、患者さんの命を直接預かっているという責任の重さが挙げられます。医師が下す一つの決定が患者さんの人生を大きく左右することもあるため、絶え間ない緊張感の中で業務を行わなければなりません。さらに、勤務環境における体力的および精神的なハードさも課題です。定期的な夜間当直があるだけでなく、自分が担当している病棟の患者さんの容態が急変した場合には、夜間や休日であっても病院に駆けつけることがあります。
このように肉体的にも精神的にも過酷な環境ではあるものの、自分が下した決断と、信頼できるチームの力で患者さんの命を救えた瞬間の喜びは大きく、総合病院の医師ならではの醍醐味といえるでしょう。

