定義や主な機能について
「総合病院とは何か」と問われたらどのように答えるでしょうか。「複数の診療科が存在している」「病床の規模が大きい」と答える人が大半でしょう。一般に広く浸透した「総合病院」という名称ですが、医療法上の区分はありません。
医療法上の区分はないが世間に浸透している
かつて総合病院は、医療法によって診療科の数や病床の規模、検査内容などが定められていました。しかし、医療法は1997年に改正され、総合病院に関する規定はなくなったのです。ところが「総合病院」の名称はすでに社会に広く浸透していたため、今でも一般的に使用されています。現在、総合病院は「内科や外科だけでなく様々な診療科が存在する」「病床の規模がやや大きめ」「救急診療を実施している」など、地域医療の基幹となる病院を指しています。また、「〇〇総合病院」のように固有名称として用いている病院もあります。
総合病院の中でも病床の数が200床以上と規模が大きく、同じ地域にあるほかの医療機関との連携にも重点を置いている病院は、医療法の改正で新たに創設された「地域医療支援病院」に指定され、総合病院から移行しました。
医療法の改正でどのように変わったのか
改正前の総合病院の条件は「病床数が100床以上ある一般病院」「内科や外科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科の5つの診療科を有している」「化学・細胞・病理の検査施設や病理解剖室、研究室、講義室、図書室など一定の施設を有している」「都道府県知事の認可を受けている」というものでした。
改正によって新たに地域医療支援総合病院が創設されましたが、地域医療支援病院は患者さんが住み慣れた地域で完結した医療が受けられるように、その地域の病院や診療所が連携して治療にあたることを目的としています。一次医療を担う診療所や中小病院を専門外来や救急医療がある規模の大きい病院が支援する形です。規模の大きい病院は地域医療の中核を担うため、地域医療支援病院として各都道府県知事から承認されています。
承認されるには、「紹介患者を中心とした医療の提供を行っている」「救急医療を提供できる」「地域の医師が建物や設備を利用できる体制が整っている」「地域の医療従事者に対して研修を行っている」「原則として病床の数が200床以上、また、地域医療支援病院としてふさわしい施設を有している」などの条件を満たさなければなりません。
参考までに、地域医療支援病院について詳しく解説しているサイトを下記に紹介します。
地域医療支援病院の概要やあり方について分かりやすく説明しています。 |
病院の機能
規模や地域の医療環境などによって異なりますが、病院には「入院機能」と「外来機能」の2つの機能があります。近年は高齢化が進んでいることもあり、「在宅機能」の重要性も増してきています。また、人間ドックや検診といった「予防活動」もあります。