クリニックとの違い
総合病院とクリニックの違いをどれくらい知っていますか。「症状が重ければ総合病院、軽ければクリニック」のように漠然と考えている人も多いかもしれません。ですが、その違いは法律で明確に定義されています。
入院できる人数が異なる
大きく異なるのは「入院できる人数の違い」です。医療法で「病院は20床以上の入院施設を持つ医療機関」と定められているため、病院(総合病院)は病床数が20以上ある規模の大きい医療機関を指します。19床以下の医療機関はクリニックに分類されます。病院ではなくクリニックという名称になりますが、必ずしも「○○クリニック」とする必要はありません。厳密に定義が決められているわけではないため、「○○診療所」「○○医院」のように自由につけることも可能です。ただし、自由につけすぎてクリニックであることが分からないと患者さんが困惑してしまうため、自治体によっては「医療機関であることが容易に判断できる名称」とルール化しています。
医師でなくても開設できる
クリニックは、開設者の職業は問われません。医師や歯科医師でなくても開院できるため、市町村や医療法人、社会福祉法人が開設者となっているクリニックもあります。
スタッフの人数
クリニックを開設するにあたって、スタッフの種類と人数に決まりはありません。クリニックの規模によって必要とする人数は異なります。医師が1人・看護師が3人というクリニックもあれば、医師が3人・看護師が10人以上、というところもあります。規模の小さなクリニックほどスタッフの数が少ない傾向があります。
診察費に違いはあるのか
診察費には初診料と再診料があります。初診料は診察が初めての人が支払うものです。以前は、総合病院は2,550円、クリニックは2,740円とクリニックの方が若干高い価格が設定されていました。これはクリニックよりも病院の初診料を安くすることによって、軽症の患者さんはクリニックで、入院が必要な患者さんは病院で、と役割が分担されていたからです。しかし、2006年に法律が変わり、病院もクリニックも初診料は2,700円に統一されました。
総合病院に行く前に渡される紹介状とは
クリニックは軽症の患者さんが中心ですが、症状が重く、さらなる検査や入院が必要な場合は総合病院を紹介し、そちらで治療することになります。その際に必要なのが「紹介状」です。紹介状には患者さんの情報が詳しく記載されています。医師の間で情報が共有されるため、事態を把握しやすく、同じ検査を繰り返さなくてもよいというメリットがあります。また、総合病院によっては紹介状があることで診察費が安くなる場合もあります。